いつもの朝の散歩コース、小学校沿いの道を歩く。地面にカラスウリの雄花がたくさん落ちている。あの細い茎で、ソメイヨシノをよじ登り、5mほどのところに張られた電線に絡んで、なんと10mにも横に伸びているのを見上げる。電気の邪魔にならないのなら、どこまで伸び続けるのかと楽しみにしていた。
それがある日、市役所の掃除チームがやって来て、下水の溝のところにたまっている落葉の掃除といっしょにフェンスからはみ出してる枝などをバッサリと景気良く垂直に刈り上げ、カラスウリも引きずりおろされた。
すっきりはしたんだが、ちょっと寂しい気分。あの細い茎の中に、道管や篩管が秩序よく詰まっていて、15m先までつながってるなんて、ものすごいことなんだと不思議な思い。
刈り込まれたのは、ユズリハ、ウバメガシ、ムクノキ、コナラなど。さて、これらの植物、想定外の事故にすぐ対応して、新芽を伸ばして、間もなく新しい葉っぱが傷跡を隠すまで茂ることになるんだろう。
津田沼駅近くの街路樹はプラタナス。初夏のころからあの大きな葉っぱの緑が薄汚れてきた。秋に向かうにつれて次第に茶色がかって精彩がない。葉裏にはグンバイムシがびっしりついている気配。あの虫、どうやら風に乗って分布を広げるらしい。
プラタナスの落葉の時期も迫っている。プラタナスとグンバイムシはいわば運命共同体、グンバイムシの生活史はおそらくは葉っぱの寿命に連動して冬眠体制をとるんだろうな。申し訳ないけれど、あまり好きになれない感じのタイプ。
ルーペで形を確かめたり、生態を調べる気になれないナ。
来年はどうなるんだろうか?
この夏の猛暑はひどかった。雨が降らない日が続いて、根張りが浅いツツジや大きな葉っぱのアジサイなどがかなり打撃を受けた。土の硬さなども関係するだろう。都会の土は、有機物たくさんのフカフカではなく、コチンコチン。地下水とはつながりにくいから、ここに住みつかされた植物たちは、かなりの難儀を余儀なくされる運命となってしまう。
アスファルトの道路のすき間に、落ちタネから根を伸ばす植物たちはすごい。おそらくは50℃か60℃かの日照り状態に耐えて、アスファルトのすき間に根を伸ばし続けて水分を吸い上げるのだから。
気温の測定は高さ1.5mの風通しのいい日影、百葉箱の中で測定される。身長の低い位置の子どもや愛犬、そしていわゆるすき間植物たちは、もっと厳しい状態にさらされているんですよね。
朝夕が少しだけ涼しくなって、雨が時々降るようになった。風の気配もなんとなく秋の気分に。そこでまたびっくりした。全部枯れたと思っていた大会社の門前のドウダンツツジが、なんと若い枝を刈込の上に出して新芽を広げてるじゃないですか。
カラカラに乾いた小さな植木鉢で、球根が地上に突き出してる状態のヒガンバナが、何と花茎を伸ばし真っ赤な花を咲かせるんですねエ。いったい水分はどこから調達したんだろう???
などと明るいニュースに安心ばかりはしていられない世界的な異常気象、温暖化の進むこの地球です。
平均的な降水量なんて期待できないでお天気までゲリラ化が進んでいる。日本列島の気候も、雨季と乾季に二分されるような夏緑林の感じに近づいてきているのかも。
バーチャルウオーターという言葉ご存じですよね。日本で不足している食料を外国から輸入するということは、途上国の貴重な水資源を大量に使って生産されたものなのだとというつながり。水は世界を、この地球をあちこち循環しながらつながっている。
有機物を生産できるのは植物だけ。増え続ける二酸化炭素を吸い込んでくれるのも植物の光合成のおかげ。そうしたつながりをもっとちゃんと考えて、次の行動につなげたいですね。
(ブログ投稿日時 2023-10-04)
図鑑の種名表示が漢字ではなくカタカナになったのは、「らんまん」ですっかり市民におなじみになった牧野富太郎先生の意見による影響があったように思われる。
漢字で書かれた植物名は、意味がよくわかる点で便利だが、歴史が長く広大な面積に分布する中国の植物名を、そのまま日本の植物に当てはめるのは、混乱を起こすもとになってしまう。たとえばクスノキ、牧野図鑑では「漢名は樟、そして楠の本物は日本にない」、と書かれている。
イラストにはサカキとヒサカキを登場させたのだが、榊の文字は日本製の国字で、漢字ではないんです。漢字は偏と旁の組み合わせでいくらでも作れる。例えばアユ、「鮎」は本来はナマズを意味していたらしいが、国字としてはアユを意味しているんですね。文字の世界、恐ろしく奥が深くてイモづる式に次つぎ調べているうちに、資料が山積みになって、大変な世界に迷い込んでしまう。

第155回10月(神無月 ) サカキ と ヒサカキ
ヒサカキを漢字で書くとすると、あなたならどうします? 姫栄木と書く人が多いみたいだけれど、あれは本物ではないから、「非榊」だと言い張る人もいらっしゃる。
この両方とも、古い図鑑ではツバキ科として、世界に30属約500種あるなどと書かれている。この仲間、バライティーが豊かで、常緑あるいは落葉、高木もしくは低木などと、科の説明はとりとめがない。
実物を両方並べてしげしげと見れば一目瞭然、相当に違う。
葉のつやが大違い。サカキは葉がツルツルなのに、ヒサカキはつやが少なく鈍いギザギザがある。
目立たない花は、ヒサカキが3月頃の春咲くのに、サカキは初夏のころと遅い。実が熟すのは両方とも初冬のころ。
でもサカキの新芽は、なぜか鎌型に曲がる変な癖があるからすぐわかる。自然分布では、関東地方にはサカキの自生が少ないから、その代用としてヒサカキを使っているのだと説明されている。なお、DNA解析による新しい分類系は、1988年のAPG Ⅰ (ワン)に始まり、2015年のAPG Ⅳ(フォー)で、ほぼ全世界的に決着した感じ。この分類系ではツツジ目の中で、ツバキ科とサカキ科が分かれたので、古い図鑑を見る方は科名の変更にご注意を!
どっちにしろ、邪気を払うとされているんだから、それを信じましょうよ。サカキやヒサカキを大切にすれば、誰にでも明るい未来が開かれるに違いないと!
(ブログ投稿日時 2023-10-04)
