創立50周年の記念行事を開催!

第143回10月(神無月)クズ第143回10月(神無月)クズ
→PDFファイルはこちらより

市川みどり会が創立50周年を迎え、市川駅に近い山崎製パン年金基金会館で7月16日に記念講演会が開かれた。

作業日と重なってしまった里山グループの人たちも、仕事を午前中で切り上げて大勢が参加してくれたのもうれしいこと。

今はどのグループも高齢化が進み20年ぐらいが区切りになる状況が多い中で、市川みどり会が50年もつなげて来られたのは、すごいことだ。会員諸氏の不断の努力・積み重ねの成果というべきだろう。

総会に引き続いての記念講演はご存じの濱野周泰先生が「都市化による土地利用と斜面林の存在」のお話、そして動画試写会は「白馬村百年の景観を考える~美し国から2017景観~」。画面の中で進士五十八先生が、景観について実例紹介とともに分かりやすく説明されたのも貴重だった。

自分の目で確かめる、針葉樹と広葉樹の形の違い、家の外はパブリックな空間・みんなのもの、そして役所がかかわると、とかく禁止事項を並べることになりがちという厳しい発言もあったり――!

短い時間に中身の多いお話がぎっしりと詰まって、難解な部分があったかもとちょっと心配。

濱野先生の講演メモも、皇居前広場と高度規制の関連、時間雨量100㎜を超える状況が頻発している 最近の災害事情、三鷹市の例や国分寺崖線のこと、アフガニスタンの事情と開発の関連、SDGsの話題などなど、整理するのが大変な分量の盛りだくさん。どなたかが的確に情報整理してみんなが復習できるようになればありがたい。里山管理に苦労されている人たちからの、多様な感想などもお聞きしたかったのだが。

それに、今までこうした分野と無関係だった人たちの参加、特に若々しく感受性の豊かな人たちがこのような集まりに刺激を受けて、それなりのペースで自分たちが暮らしている地域の将来を考えるようにつながっていけば嬉しい。どうやったら、次世代につながるコラボレーションに、結び付けられるのだろうか。

市川での斜面林というと、弘法寺の南側から始まり江戸川沿いにつらなる国府台の斜面林がよく知られる。

東京方面から電車で江戸川を渡る時、目に飛び込んでくる緑のつながりが、疲れたハートを和ませてくれると人々はいう。緑の存在は、温暖化・気象災害などにも直結しているのだし。

この斜面林は市の境界を越えて松戸にまで続き、松戸の人たちは「矢切の斜面林」と呼んでいる。この終点は松戸駅に近い極相林の保存地、浅間神社となる。かなりの長距離で、つなげて歩くのはちょっと+きつい。30年以上も前に歩き回ったこともあったが、林縁すれすれに民家が立ち並んでいる所もあって、驚いた記憶が残っている。

2003年に発行された市川市の自然環境実態調査報告書では、こうした自然度の高い地域を未来に向けて残したい林としてリストアップしたのだが、その事情を知る人も少なくなってきている。久しぶりにまたつなげて歩き、林の遷移と周辺の自然環境の移り変わりを再確認したいと思っている。

(ブログ投稿日時 2022-10-21)

第143回10月(神無月)クズ

秋の七草にもクズも入っていて、葛飾の地名の起こりはクズなどが茂っている荒れ地だったとかの話もあるが、本当はどうなのだろう。クズは荒れ地を這い回ってずんずん伸びる。しがみつくものがあれば、電柱や樹木の茂みも覆いつくしてしまう。

夏の終わりごろに赤紫の花を咲かせる。やがて茶色の毛むくじゃらの枝豆みたいな莢をつける。

大きな葉の裏側は多少白っぽい緑で、風が吹くとゆれる。直射日光が強い時には葉をたてて、葉面積を小さくしたりもする。

第143回10月(神無月)クズ

第143回10月(神無月)クズ

ルーペで見ると葉裏の毛むくじゃらがすごい。

熱い砂地を這い回った時などの断熱効果の効能があるんだろうか?

葉脈が葉の先端までしっかりと伸びて、葉の周辺を固めているように見えるのをずっと気にしている。

ヒトの血液の循環図では、動脈は赤く静脈は青く表現されているが、葉脈の流れはどっちを向いているのだろう。

時には葉脈が十字交差しているのだ。

やせ地にも育って、砂防効果があるから一時は砂漠緑化のヒーローとして、アメリカでももてはやされた。

ところが目立ちすぎると必ず嫌われる。

日本産のクズが、ヤブガラシのように他の植物の上を踏みにじり、アメリカの在来植物を駆逐する悪者として嫌われる状況に追い込まれてしまったのだ。

学名の話もちょっとだけしておこう。属名のPueraria はコペンハーゲン大学の植物学者名から。次の種小名のlobataは浅く分かれた葉っぱの状態説明から。(炉端のことじゃありません!)3番目の命名者名ohwiは、日本植物誌などの著作で知られる大井次三郎先生のこと。

ラテン語の発音は、国によってみんな違うから、異人さんと会話の時には文字に書かないと大混乱する!

クズの場合、日本人は古典ラテン語読みで「プエラーリア ロバータ」という。アメリカ人は、「ピュアレイリア ロバータ」という。モミジの仲間はAcerだが、アメリカ人は「アケル」とはいわずに、「エイサー」などというから困っちゃう!

クズの根の実物、見たことありますか? 牛蒡をデコボコにしたような長い根っこです。生薬名では「葛根」、漢方処方の葛根湯(カッコントウ)は、落語にも登場するチョー有名なお薬ですよ。

(ブログ投稿日時 2022-10-21)