二俣新町から歩く & カーボンニュートラルのことなど

第137回 4月(卯月)テリハノイバラ第137回 4月(卯月)テリハノイバラ
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三寒四温などといわれるように、春先は気温の乱高下がひどい。3月20日ごろにソメイヨシノの開花宣言されたが、その直後に真冬のような寒さがやって来た。動植物たちはさぞ戸惑ったことだろう。

ここ2年ほど行ってなかった原木あたりの海辺が気になって、春の彼岸過ぎに急に出かけた。

西船橋から左右に分かれるJRの三角形のような中間に二俣新町の駅があるが、乗り換えが複雑だからここへ出かける人は少ない。平日ならば海辺の倉庫や資材置き場への通勤客で賑わう駅前のコンビニも、休日はほとんど人影もない。

駅前ロータリー付近は、タブノキやツバキの植栽、そして西に向う街路樹は樹高が4mほどのケヤキが並んでいる。

線路沿いに西に歩くとすぐに排水機場がある。そこを海側に曲がると行き止まりの水路で、沈没しかかかった廃船が幾つもある。カワウやアオサギの休憩所になっている風景に驚かされる。

京葉線のガード下を歩き続けるようなコースになって、すぐ先に真間川の東の出口、巨大な真間川水門が見えるのにびっくりする。駅から500mほどの距離だ。

この辺りは住宅地から遠いし、いわば見捨てられた海沿いの荒廃地。それだからこそほんの少しだけれど自然植生っぽい緑地が残されたといえる。トウネズミモチやカイズカイブキは少し前に植栽されたものだろう。

そこにクズやスイカズラなどが絡みついて、マント群落のようにも見える。その先の原木公園あたりは市川市の木、クロマツが茂って防風林になっている。

ここは市川水路の終着地点。道路沿いの小さな空き地には、おそらくは市川市内でここだけに分布するテリハノイバラの小さな群落がある。三番瀬を望む東浜先の砂浜が、3.11の被害で海浜植物が壊滅した今、ハマヒルガオが残されているのもここだけになったようだ。

真間川水門の近くにはゴミ拾いしたビニール袋が、ガードレールや橋の欄干などに30ほど積まれていた。

空き缶と燃えるごみは分別されていない。そしてなんと、ビニール袋は全部が「ごみゼロマーク」の船橋市のものだった。これはいったいどういう事情なのだろう。

三番瀬の市川東浜先の砂浜のクリーンアップも、船橋の市民グループが20年以上ずっと続けている。津波被害後の生物調査も声をかけられて参加したのは、船橋市役所からの連絡だった。

市川市役所から発行されている地図も実はずっと気にしている。2017年の地図までは京葉線の南側地域の建物の形が記入されているのに、それ以降は行徳漁協辺りの全域が白地図になっているのだ。

折から、3月19日号の広報いちかわには、「環境分野のノーベル賞」といわれるゴールドマン環境賞を受賞された平田仁子(きみこ)さんの記事とともに、カーボンニュートラルシティー宣言の記事が掲載された。

環境に責任を持つ街づくりに向けて、地域エネルギー計画、地球温暖化対策の実行計画が策定されたんだそうだ。遅ればせながら素晴らしいこと。

でも、広報いちかわや市議会便りには、これに関する経過報告の記事は全くなかったはず。ずっとイライラしていた立場としては、何とも不思議! 市民からの熱い思いがあって、市議会がそれを受けての合意形成・・・ではなさそうなのが不可解なんですね。

週に1~2回は図書館に通い千葉日報はじめ各紙に目を通し、気がかりな情報はメモして確認する作業を仕事柄?ずっと続けているんですよ。

2年以上続いているコロナ禍で、人々の会話も途絶えがち、緑の風を感じて林を散策する人も激減してしまった。人間も哺乳動物の仲間なんだし、幼少時代には自然体験が不可欠の筈。カーボンニュートラルの前提には、豊かな森林が必要なことが忘れられてしまっているのが納得できないでいる。

市川市役所から緑の計画担当の課が、環境部から自然環境課や環境政策課も全部なくしてしまって、今あるのは生活環境整備課という部署。2020年は生物多様性の短期目標達成と反省の年の筈だった。

ここでは、民有樹林地の保全協定の促進、市民ボランティアの参加、いちかわこども環境クラブを17から25団体へ、などと右肩上がりの数値目標を掲げていたのに、誰も気にする人がいない不思議。せめて市議会にこうした分野に詳しい複数の議員さんが、熱っぽく市民代表として発言してほしかったのに! 4月で
す。新年度の始まり。6月の環境フェアや、未来につなげるこども環境クラブ、の活動、どこの誰が未来を夢見て、キッカケを作るのでしょうか?? 若々しい緑が輝く春なんですよ!

(ブログ投稿日時 2022-04-04)

第137回 4月(卯月)テリハノイバラ
テリハノイバラ

日本には10種ほどのバラの野生種があるが、一番よく知られているのはハマナスだろう。茎にはトゲがぎっしりついて、赤紫の大きな花を咲かせる。北方系のバラで北大の寮歌にも歌われてるという。ハマナスの自生地の南限は茨城県の海岸寄りとされ、だいぶ前に見に行った時には、狭い地域に鉄条網で囲まれているというわびしい状況だった。

市川周辺で見られる自生種には、各地にノイバラが、海岸近くにはテリハノイバラがある筈なのだが・・・。観賞価値のあるものは移植されて分布を広げたりするから、本当の自然分布はもうわからなく
なっている。

第137回 4月(卯月)テリハノイバラ

第137回 4月(卯月)テリハノイバラ

栽培されている中輪のツルバラには、ノイバラとテリハノイバラが交配親として深くかかわっている。ノイバラは5月頃に2㎝ほどの白い花をびっちりと房状に咲かせる。

万葉集に登場する宇万良(ウマラ)はこのノイバラだったろうといわれている。

以前は行徳橋下の河川敷にたくさん茂っていたのだが、橋の付け替えなどもあって激減してしまったのが残念。

今回登場させたテリハノイバラは濃緑の照葉で、ノイバラよりも1カ月ぐらい開花が遅く、6月に直径3㎝と大きく白い花を咲かせる。旧学名が「ローサ・ウイクライアナ」だったのも今回登場させた理由の一つだ。

この花と直接関係はないが、青空とその下の大地は「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれる麦畑が広がってい
るという。

市川市の海岸の殆どは、コンクリートの護岸で固められているから、海浜植物の分布域は極端に少ない。東浜先の三番瀬の砂浜は3.11の大地震で、海浜植物も壊滅的な被害を受けたが、この地域には以前からバラの仲間は見当たらなかった。

イラストには、二俣新町の駅からほど近い真間川水門付近のもの。京葉線高架下に近い凹凸のある地形、ワイヤーで仕切られた荒廃地、つる草などに紛れてここに15年以上茂っている。どうやらここが市川市唯一のテリハノイバラの別天地となっているようだ。

イラストには、そこで描いた2月と6月の生育状況、そして落葉の実物と花の写真もご参考までに一緒に貼り付けた。

(ブログ投稿日時 2022-04-04)