年が明けて1か月もたつと、もう令和2年の感激?

第111回 2月(如月)ブナ第111回 2月(如月)ブナ
→PDFファイルはこちらより

年が明けて1か月もたつと、もう令和2年の感激?など全く関係なくなってしまったけれど、立春で豆まき、旧暦では春節だ。3月5日ごろは啓蟄で、越冬していた虫たちも這い出してく季節とされている。

気温の乱上下は相変わらずだが、やっと春がやってきたという実感が湧いてくる。雪国に雪が降らないで、雪まつりが実施できないで困っている地域もある。この時期に積雪がないと、田植え頃の雪解け水が不足して、稲作が心配。スキー場ではスキー場離れなどの心配も出てくることだろう。


考えれば今年はネズミ年だった。面白いニュースを新聞で見た。アフリカオニネズミというのが、地雷処理に活躍し、「ヒーローラッツ」と呼ばれているのだという。鋭い嗅覚で火薬の臭いをかぎつける。体重が軽いので踏みつけても爆発しないという。

テニスコートほどの面積を地雷探知機で処理するのに、4日もかかるのが、このネズミならば30分で処理し、これまでに10万個の地雷や不発弾の除去に活躍したというのだ。はて、このネズミはどんな大きさで、普通はどういう暮らしをしているのだろう。警察犬の訓練はよく知られているが、火薬に対してのネズミの訓練はどんな方法で実施されるのかが気になるところである。

高校生時代に、動物の解剖をした後で綿を詰めて剥製を作り、机の前に飾っていたことがある。数日後、いやな気配! なんと、砂粒ほどの微小な生き物が一斉に這い出してきたのに驚いた! 死んでしまったネズミの寄生していたダニの類が、暮らしていけなくなって逃げ出してきたのだった。さぞかしネズミは痒くて苦しんでいたことだろう。

小さな哺乳動物に、こんなにたくさんの生き物たちがすがって生きていたのだと、妙に感心した記憶がある。中国を中心に騒がれているコロナウイルスも、食用として生きたまま運搬される野生動物が発生源の一因という説もあるらしい。

今になって急に昔のことを思い出してしまった。ヒトも含めた生きもの世界、いろんな事情が複雑に絡み合っているのだ。


春の気候の不順なことは昔から三寒四温などと呼ばれていたが、こうした状況がいろんな地域の動植物にも関係を及ぼしている。

今日との西芳寺は、苔寺として有名で、最近は外国からの観光客にも評判がいいらしい。ところが、京都もまたヒートアイランド現象などの影響で、コケに異変が起きているという。以前よりも朝霧が出にくくなった。夜の温度が下がりにくくなった、などが理由らしい。西芳寺には130種ほどの多様なコケがあるという。

コケ類の小さな凹凸が、吸音板のような役割を果たし、しっとり通したわびさびの世界を演出してくれるのが外人さんにも評判だというのである。

この仲間、古くから環境指標として知られていた。ヨーロッパでは19世紀後半に地衣類が大気の測定の指標に使われていて「衛生計」の役割を果たすという報告が出ている。日本でも明治時代に、精錬所周辺ではウメノキゴケが石からはがれ落ちて枯れるという記録が残されている。

コケの仲間の分類や生活史はかなり複雑で、理解しにくい事情もあるのだが、環境指標の視点でまちなかのコケの状態に気を配ると、新しい発見が出てくることだろう。

(ブログ投稿日時 2020-03-29)

第111回 2月(如月)ブナ

コケ類の話のついでに、市川には自生していないブナのイラストを登場させよう。

第111回 2月(如月)ブナ

第111回 2月(如月)ブナ

ブナ

この続きは次回に。

(ブログ投稿日時 2020-02-29)